第13回 高山市国府町名張地区

開催日
2011年10月30日
参加者数:
16名

名張地区でのお手入れお助け隊

当日はあいにくの雨模様となりましたが、参加者の皆さんは雨にも負けずでやる気満々。心強いスタートとなりました。今回は、火災で家屋を焼失後、85年前に移築された古民家で、およそ直径60㌢×長さ93㍍の立派などうじ丑(梁)、また、過去のお手入れには見られなかったにわ(ダイニングルームの部屋)の天井にあるコマイも見ることができます。

昼食には、おえにある一畳もある大きな囲炉裏を囲んで参加者の皆さんと交流します。

初の飛騨里山サイクリングとのコラボ企画

今回のお助け隊は「飛騨里山サイクリング」との初コラボ企画で、ボランティア活動の前後の時間を使ってプロのガイドの説明を聞きながら里山の風景を楽しみ、飛騨の田舎をさらにディープに感じて頂きます。なんと外国(シンガポール)から参加されるお客様もいました!お手入れお助け隊もインターナショナルな顔ぶれになってきました。

板床、柱、梁など、まずは水拭きから始めます。水拭きだけでもみるみるうちにきれいになっていくのが分かります。6間通しの松の木の梁が立派です。今はこういう材はなかなか手に入らないと聞きます。こういった材が贅沢に使われた古民家で暮らしていると、家からパワーをもらえるそうで、確かに私達の磨く手にもパワーがみなぎっていくようでした。家主の奥様は、嫁にきてからずっと「板目に沿って拭け」とお姑さんから言われながら毎日拭いていたそうで、私達の様子を見て「ご先祖様もきっと喜んでいる。ありがとう。」と声を掛けてくださいました。入念な水拭きが終わったら、今度は米ぬか・荏の油を使って磨き上げていきます。大黒柱などは胡桃の実を砕いたものを使って磨きます。胡桃の殻を割って中の実を取りだす作業にアナウンサーの方も四苦八苦していました。ちょっとしたコツがいるのですね。

飛騨の古民家は昔養蚕をしていたこともあり、とにかく広くて大きいです。家主さんは、古民家で暮らすことで心にゆとりができ、のんびりと心がでっかくなっていくようだとおっしゃいます。この日のお手入れも無事に終了、いよいよ待ちに待った昼食です。おえで囲炉裏を囲んで談笑しながら食べる豚汁の味は格別で美味しさが胃に染みいります。現在の家主さんは、祖父から「お前はここの跡取りやで、この家をつぶすことはいかんぞ。」との言葉のもとこの家を預かったそうです。それぞれの家に語り継ぐべき歴史があり、私達はお手入れお助け隊という活動を通して、これからもお話を伺っていきたいと思いました。

お手入れ終了後には、参加者の方から家主さんに「お手入れ終了証」が手渡され、その場は笑顔と達成感に包まれました。家主さんも、外国の方含めてこういう古民家の良さを今後ももっと知っていただければ、とおっしゃっていました。

当日はNHK岐阜の取材も兼ねて行われました。アナウンサーの方も終始笑顔で、大変興味深げに取り組まれ、手を動かされていました。

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参加者からのコメント

  • 今日のような機会を得られて大変光栄だった。素晴らしい経験ができた。ありがとうございました!(30代 男性)
  • お手入れ中、瞑想状態になりました。(20代 女性)
  • 住宅地に住んでいるので目に映るものすべてが珍しい。畑だったところが駐車場になったり、景観がどんどん変わっていくのを見るのは寂しい。飛騨にはまだ美しい景観と古民家がたくさん残っているので、是非大切にしてもらいたい。(30代 男性)
  • 設計事務所に勤めているのですが、飛騨の古民家の素晴らしさに触れることができ、大変有意義な時間を過ごすことができた。(40代 男性)
  • 母が古民家で暮らしており、どういう風にお手入れしていけばいいのか大変参考になった(20代 女性)
  • 囲炉裏のある生活というのはいいものだな、と思いました。憧れます。(30代 女性)
  • サイクリングもお手入れお助け隊も楽しかったです。最高の一日でした。また飛騨に遊びに来ます!(20代 女性)

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