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ンゴロンゴロ クレーターハイランド トレッキング / Ngorongoro Crater Highland Trekking -4-

Day4:
11/25

小雨のち晴れ

8時間半

約10km
2,150m上り/下り

レンガイ山登頂当日。朝3時に起床。テーブルに用意されていた紅茶とパンケーキをかじって3:30にキャンプ場を出発し、トレイルインは4:10。
なんと真っ暗な上に小雨がパラつくという前代未聞のスタート! ちょっとブルーだが、山頂では晴れることを願って歩き出す。一気に登るので急な上りを予想していたが思ったほどはきつくない。

上のほうには懐中電灯の光がちらちら見えている。やはり私たちより先に出発しているグループがあ るようだ。
5:30ごろ、その光がなぜかどんどん近づいてくるなーと思ったらなんと降りてくるグループに遭遇。まだ暗いのに何かあ ったのだろうか? 声をかけたがそのグループはわき目もふらず降りていて状況はつかめなかった。

6:00 やっと明るくなってきたが、相変わらずあたりは白い。頂上までに晴れるだろうか・・・
一瞬雲がさーっと流れてナトロン湖が見えたときにはちょっと元気が出た。


7:30 2組目のグループに遭遇。もう山頂へ行ってきたようだ。おなかがすいてしまったらしく、雨の中立ったまま朝ごはんを食べている。「ここからだったらあ と2時間くらいかな」と彼。でも彼は山頂から何も見えなかったんだろうなぁ・・・
このあたりまで来るとかなり傾斜がきつくなってきて、地面も火山灰でもろいので上りにくい。

8:00すぎだっただろうか3組目に遭遇。珍しく黒人の3人組。でも装備はちゃんとしているので現地人ではないようだ。「もうちょっとだよ」と彼ら。
雨はやみ、ふもとのほうは見えてきたのだが、まだ頂上は霧の中。厳しいなぁ・・・
山頂の手前はかなり急で、溶岩のかたまった上をいくのですべりやすく、くずれやすい。要注意であ る。こんなところ暗い中登り(OR降り)たくないもんだ。

8:40 ようやく山頂へ到着! ガイドに「Welcome to the summit!」といわれるものの、景色は真っ白・・・
レンガイ山は活火山なのでクレーターではたまに白っぽいどろどろの溶岩(世界でここしかない種類のものだとか)が流れ出すことがあ るらしい。またいくつもの溶岩コーン(三角柱)ができているというので、その様子を見たかったんだけど・・・

とりあえず晴れるのを待ちたいので寒い中朝ごはんを食べる。が、食べ終わっても晴れる気配なし。
9:00すぎ、真っ白ではあるがクレーターに下りてちょっと歩いてみることになった。
クレーター内の地面は白っぽい溶岩が固まっていて、溶岩が流れたあとがそのまま線になって残っている。上を歩くと割れ目が入るところもあ りこわれやすい地面。


クレーター内の地面

霧の中からぼーっと黒い影が見えてきた。溶岩コーンである。思ったより大きい。
全体が見えないのでどのくらいの広さに何個こんなコーンがあるのかよくわからないが、ちょっと歩いただけでも数個見ることができた。

また、たまに硫黄の噴出孔がある。ふわぁーっと熱気があがっていて日本人ならおなじみの硫黄のにおいがする。

さらに よくよく耳をすますと、たまに「ゴボゴボッ」っという小さな低い音が聞こえる。蒸気とやわらかい溶岩が流れる音のようだ。

こんな感じでクレーター内はこの火山が活きていることを十分に教えてくれるものだった。活火山のクレーターなんて歩いていいのか?とちょっとこわくなったのでさっさと退散・・・

霧の中の溶岩コーン


硫黄の噴出孔
さて山頂で1時間ほどたった9:40、いっこうに晴れてこないのでついにあ きらめて下山することにした。
降りていくにつれてふもとの方は晴れてきて、雄大な景色が姿を現し始めた。

もうちょっとで晴れるぞー! 私たちは今日の最後のグループ(といっても全部で4組だけ)だったようでもう登ってくる人はいない。先に下りていった人たちはこの景色も見れなかったんじゃないかなぁー 遅いスタートでやはり正解だった。

下は晴れてきた

1時間くらい降りてきたところでかなり青空が広がってきた。
右方面にナトロン湖、左方面に昨日歩いてきたナイヨビ村からペンベ・ヤ・スワラまでのトレイルまでが見える。目の前のリフトバレーの向こう側はたぶんセレンゲティのサバンナだ。
これでこそ早起きしてがんばった甲斐があるというもの。

振り返って頂上は・・・というとまだ雲がかかっている。でももうちょっとで晴れそう・・


レンガイ斜面とナトロン湖
11:00近く、だいぶ降りてきたのと晴れたので暑くなってきた。ここまで来て振り返ると・・・
見えている!頂上まですっきり。あーあと1時間半だったか・・・ でも頂上は寒くてそんなに待っていられる状況ではなかったからしょうがない。
が、見ているうちにまた頂上は雲に隠れたのでまぁ良しとする。

見えた山頂・・・
12:30 ドライバー、マイケルの待つトレイルヘッドまで戻ってきた。振り返ると改めて本当に美しい形をした火山だ。神の山といわれるのもわかる気がする。
この神の山が私たちのアフリカ最後のトレッキングとなった。別にこれを最後にトレッキングしないわけではないが、今回の回遊では最後。あ っという間に終わっちゃったなぁー・・・

車でキャンプに向かう途中、3人のヒッチハイカーに遭遇。なんと最後に会った3人のグループ。彼らは実はアルーシャのサファリ会社の人たちで新しいコースの開発のために来ていたのだが、来るはずの迎えが来ず、しょうがないので歩いていたとか。さすがタンザニア・・・ もちろんヒッチをOKした。

トレッキングを終えて

クレーターハイランドトレッキングは、自然を楽しむと共に自分の足でマサイの住む土地を見て歩くことのできる貴重な体験であ る。
伝統的には放牧を営むマサイが、ここでは定住を始めた。今後どうなっていくのか、気になるところだ。

レンガイ山に登って気になったのは途中ペットボトルやビニールなどのごみを目にしたこと。木の上でなびいている青いビニールを鳥と見間違えたほどだ。
私たちはトレイル上やすぐ脇にあるものは拾ってきた。うれしいことに私たちがごみを拾うとガイドが自分のリュックに入れてくれた。そう、彼もマサイだから自分たちの神の山が汚されているのはいやなはずであ る。それにしても谷間に落ちてしまっているものも多くあり、とてもじゃないが拾いきれるものではない。

マイケルにゴミを目にしたことを話すと、たまに来て山頂に泊り込む研究チームが雇うポーターたちが捨てたのではとのこと。彼は今日のガイドと協力して酋長に話し、清掃登山を提案してくれるという。実行されることを切に願う。

ンゴロンゴロ写真集はこちら


メモ:

  • ンゴンゴロ保護区内、およびンガレセロ村はガイドは必須(ルール)。ナイヨビ以外には水源も近くにはないので水を運ぶロバ(およびロバ使い)も必須。個人でNCAA(Ngorongoro Conservation Area Authority)にガイドやロバの手配を頼むという方法もあ るようだが、ガイドブックによると結局金額は同じくらいになるというし、実際ンゴロンゴロの事務所に行ったら頼んであ ったレンジャーがいないという状況に遭遇したのでこれはかなりリスクが高いと思う。 (そんなトラブルにあったらスワヒリが流暢に話せない限り打開は無理と思われる)
  • ツアー会社の選び方:
    • キリマンジャロ登山、セレンゲティと同じく山のようにあ るサファリ会社から選ぶのが一仕事である。日程に自由がきくのであ れば、現地で実際にスタッフにあって信用できそうなところを選ぶのが無難だと思う。
    • このクレーターハイランドトレッキングは、キリマンジャロ登山、セレンゲティサファリなどに比べると圧倒的に参加者が少ないのでオーダーメイド色が濃い。ルートはほとんど決まっているものの、どこを歩いて、どこを車で行くか、何日間にするかなどはツアー会社とよく相談したほうが良いし、そういう相談にのってくれるところを選ぶべき。(私たちのルートマップはこちら
    • 私たちは、セレンゲティサファリから続けてこのトレッキングをする日程だったので、セレンゲティと同じく、モシにオフィスのあ るメムツアーズ(Mem Tours and Safaris)に頼んだ。 URL: www.memtours.com/
  • 気候と服装:
    ペンベ・ヤ・スワラまでは比較的標高が高いのと、私たちのときは雨季に入りかけて曇りがちだったこともあ り、そんなに暑いと思ったときはなかったが、乾季のナトロン湖周辺、およびレンガイ山はものすごい暑いらしい。
    あまりに暑くて日中に登った人が倒れたことがあるからそれから標準登山開始時間が夜中になったようだ。
    登山開始時間はそのときの気候によって決めるのが最適だと思う。何もいわないと夜中になると思うが、レポートにあ るように真っ暗な中山頂について何も見えないなどということも十分ありうる。それまでの2日ほどで天気のパターンが少しはわかるはずなので、それをもとにガイドと相談することをお勧めする。
  • 持ち物:

    • テント - 会社によってツアー料金に含まれている場合とそうでない場合があ るので要確認。3シーズンでよい。
    • 寝袋 - これも3シーズンでOK
    • 水ボトル - 水はポーターがくんできてくれる。念のため浄水タブレット/フィルターを持っていったほうが良い
    • ゲイター(スパッツ) - レンガイ山の上の方は砂・灰が多いのであると良い
    • お金 - ドライバーとコック、マサイガイドにチップが必要。(ツアー会社からのガイドとコックには10ドル/日程度) マサイガイドやロバ使いは何人になるのか事前にツアー会社にしっかり確認したほうが良い。
    • 動物・鳥図鑑 - あるとより楽しい。(私たちのサファリのお供はCollins African Wildlife(ウガンダの書店にて購入)

 

  • マサイの写真撮影について:
    基本的には許可なしに人も家も写真をとってはいけない。
    最近では景色を撮っていてもそこに家が入っていたりすると走ってきて撮影代を請求されることもあ るようだ。(山を撮っても、「その山は自分のもの」と主張される場合もあ るとか)
    たまに「写真を撮ってくれ」といってくるマサイもいるが、もちろんお金を請求されるので撮るならそのつもりで。
    ただし、ガイドやロバ使いはもちろん撮っていいが、一応礼儀として撮っていいか聞いたほうが良い。

 

  • レンガイ山のクレーターについて (2006年9月追加):
    レンガイ山は活火山である。私たちはガイドに連れられてクレーターにちょっと降りてみたわけだが、やはり危険な行為であ ったと思う。ガイドが噴火に関するデータなど持っているわけがないのだから。2006年3月には、レンガイ山の噴火で周辺住民が一時避難したとの話もあ る。ガイドが降りてみようといってもそのリスクは自分が負うことを覚悟で。
  ※ 現地の人との交流にはスワヒリ語が必須。私たちはこれを持っていきました。

 

※ 動物、鳥の観察にはこれ

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