Orca Adventure (Johnstone Straitカヤックツアー)

バンクーバーの西にバンクーバー島という全長500km超の島があ る。ここは、アウトドアアクティビティのメッカで、カヤック、マウンテンバイク、トレッキング、ケービング、釣り、サーフィン、ダイビング、冬はスキーと、飽きることがない。

バンクーバー島の周りにはOrca(シャチ)が住み着いており、島の北西にあ るJohnstone Strait*という海域には、Robson BightというOrcaのための保護区があ る。世界でも珍しいこの場所には世界中からOrcaの研究者が集まり、許可証を持った研究者のみ、この保護区に入ることができる。一般の人は、陸からも海からも(もちろん空からも)この保護区には入れないのだが、Orcaはその周辺を回遊しているので、保護区の外の海では、Orcaを見ることができる(はず)。

地図を見る(Johnstone Strait周辺バンクーバー島周辺
*"Strait"は、陸の間に挟まれた水路のようなところを指すらしい

そんなわけで、近くのTelegraph Cove、Port Mcneillでは、ボートで行くWhale Watchingやカヤックツアーが盛ん。ここでは、Whale WatchingというとクジラよりOrca(Killer Whale)を指すのが面白い。

今回、私たちは、Telegraph Coveから出発する2泊3日のカヤックツアーに参加した。

 

7/14: Day1

朝霧のち 晴れ

朝9:00にTelegraph Coveのショップ前に集合。まずはガイドのBradと対面。あごひげが長くて年齢不詳だが、たのもしそう。私たちのほかには、バンクーバー近くから来たカップル(パトリシアとグレアム)だけ。いい人たちそうで安心。
挨拶のあと、早速ドライバッグにテントや衣類を積め、カヤックに詰め込む。カヤックは二人乗りのツアーカヤック。私たちが日本でのっているものよりも長く、幅も広いので、安定性が高く、たくさんモノもつめるのがうれしい。


(メモ: 今回ガイドしてもらったのは、North Island Kayak。Telegraph Coveでは唯一現地にショップがある。)
全員カヤック経験者だったので、簡単なインストラクションの後、すぐに出発。Orcaの保護区Robson Bight方面に漕ぎ出す。このあたりは本土との間にはさまれた内海なので、風が吹かなければあ まり波はたたない。この日は風もなく、追い潮で絶好のコンディション。昼過ぎにはキャンプ地に到着。
キャンプ地はKaikash Creekという小さな川のそばのビーチ。このあたりでは大きいビーチなので、他のツアーも来ている。ただのビーチかと思いきや、ちゃんとトイレのあ るキャンプ場になっており、First Nation(先住民)の人たちがこのキャンプ場を管理している。
朝は霧だったが午後にかけて晴れわたり、海は蒼く、遠くの山々も見えて美しい光景。
ガイドのBradによると、混んでいるときは、このビーチに100人くらい泊まっていたらしい。今日は静かでよかった。。。
今のところ見た生き物は、白頭ワシ、海を飛び跳ねるサケ、イルカの仲間(Dahls Porpoise)。普段ならそれだけで大喜びだが、今回はとにかくOrcaに会いたい一心でここまで来たので、やはりOrcaを期待。
今のところ姿は見えず。他のツアーにもきいてみるが、今日も昨日もみていないという。いくら住み着いているといってもそう簡単には見られないのかな。。

午後はちょっと風が吹いてきたので、のんびりビーチで過ごした。夕方になるとBradは夕食をつくりはじめた。何がでてくるかちょっと気になる。カナダだからきっとおいしんだろうけど。普段はガイドツアーなどあ まり参加しないので、夕飯を誰かが作ってくれるというのは、とてもへんな気分。しばらくすると、Bradが私たちに「うーんライスは失敗したよー ごめんよー」と声をかけてきた。テーブルにいくと白米と中華風の炒め物が。なかなかおいしそうだ!

夕食後20:30ごろ、風がやんでいるので、サンセットパドリングに出発。だんだんと赤くなる夕日をみながら湖のように静かな海を漕ぐのは最高の気分! 人数が少なかったことに感謝する。(あんまり多いとやらないらしい)
日没後ビーチへひたすらパドリング。日が落ちると急速にひんやり涼しくなってくるので、あ がるときに足を水につけるのが冷たいー!
だが、さすがガイドツアー。岸にあがるとすぐに用意してあった流木に火がつき、キャンプファイアー。ここは流木がたくさん流れ着いているし、ビーチの後ろは森なので、ファイヤーウッドには困らない。
ここまでが一日目、Orcaの気配はまだない。。

7/15: Day2

朝霧のち 晴れ

2日目は朝食後、Orcaの保護区、Robson Bightまで漕ぐ。またまた追い潮だったので、1.5時間くらいで到着。Robson Bightには入ることはできないが、すぐ隣のビーチで昼食をとる。ここからが保護区かぁーと見渡すがOrcaの気配はなし。
カヤックは最高に楽しいのだけどやっぱりOrcaが見たい。。
Bradが無線で他のガイドと連絡をとりあっているが、やはりどのチームもこのあ たりではここ2日間くらいみていないらしい。どうやらずっと南のCampbell Riverというところにまで行っているようだ。 Robson Bightで待っていればくるのかと思っていたのに。。ちょっと残念。。。 ツアー料金が頭をよぎってしまったりする。野生生物なのだから仕方ないぞと自分にいいきかせる。

この日はJohnstone Straitを横断し、反対側の島の周りも漕いで回った。そちら側のキャンプ地にはかなり大人数のツアーが来ていた。団体苦手な私たちとしては、改めて少人数に感謝。

夕方キャンプ地にて、ケルプホーンで遊ぶ。このあ たりはボーンケルプという海草が生えていて、竹のように太いその茎を切ると楽器になるのだ。これはクラリネットをやっていた慈芳の勝ち。先に音がちゃんと出た。拓のほうは、これでOrcaを呼ぶんだといって、「ぶーぶー、ぷー」とあ っちやこっちや歩いていっては吹いていた。連れのパトリシアはそれを見て大ウケ。

ビーチでのんびりしていると、となりでキャンプしていた人が"Whale!"と叫んだ。え、Whaleってどっちだ?Killer? Humpback(ザトウクジラ)? それはHumpback Whaleだった。かなり遠いのに潮吹きの音がブシューっときこえる。でもHumpbackはフェリーでみたからやっぱりOrcaがいいなぁ。。 (贅沢。。)


今日はサンセットパドリングには行かないかわりに、火で"S'more"をやるという。"S'more"とは"some more"の略。どうやら、マシュマロをあぶって、チョコといっしょにクッキーではさむものらしい。そういえば昔アメリカの研修でもそんなことをやったような。。

夕焼けも終わりかけ、火を囲んで楽しんでいたそのとき、また「プシュー」っとBlow(潮吹き)の音が。今度は何だろう?と皆が海をじっと見つめる。Bradがぼそっといった。 "Sounds like Orca"。
ついにOrcaが来たのだろうか!?
すでに夜10:00前。薄暗い中、音の聞こえる方に走っていくと、長いドーサルフィン(背びれ)が見えた! Orcaだー!
暗くて写真はとれないので、見ることに集中する。2箇所くらいから Blowの音は聞こえるが、なかなか捕らえるのは難しい。でもその音をきくだけでも十分に感動的だ。このビーチの前を泳いでくれるとは期待していなかったので、感激。。 1時間くらいはいてくれただろうか、その後Blowの音はだんだん遠ざかっていってついにきこえなくなった。

7/16: Day3

晴れ

朝、5時過ぎだったか、ふと目覚めた。耳をすませると「プシュー」といっている気がする。もしかしてまた戻ってきたのかな!? 飛び起きてビーチにでると隣人さんも外にでていた。「いる?」ときくと、「あ そこにいるよ」と。
朝焼けの中、静かな水面にたまに現れるドーサルフィン。いや本当に来て良かった。感激。。
私と同じくOrcaが大好きなパトリシアも見たいだろうとテントまで起こしに行って、2人で感激をシェアする。
Orcaが泳いでいってしまうと2度寝にテントへ戻る。。
最終日はこの近くにOrcaがいることがわかっているだけに期待が高まる。キャンプを撤収後、漕ぎ出す直前にWhale Watchingのボートが見える。やっぱりいるのだ、このあたりに。Whale Watchingのボートと競争しながら、(こちらは人力だから勝てるわけがないのだが)、今までになく頑張って漕ぐ。
Orcaも泳いでいるので、なかなか追いつかないのだが、2時間くらいしてやっと100mくらいまで近づけた。それ以上は近づいてはいけないルールがあ るので、3艇のカヤックをなるべく寄せてとまる。そうすると私たちの周りで「ブシュー」と何度も水面に出たり入ったりしていた。
そうして30分、ついに「Orcaとカヤック」という私の望みが実現できた。残念ながら、写真を撮るのはあ まりにむずかしかったのだが、近くをOrcaが泳いでくれるというその体験は忘れられない。
15時ごろ、Telegraph Coveに戻る。最高に気持ちが良いカヤッキング、帰りたくないなーと思いながらついに港に到着。あ っという間の3日間だった。。。

「Orcaとカヤック」はたぶん世界中さがしてもここでしかできないのではないだろうか。
必ずもう一度来て、今度は自分たちだけでもっと長くステイしたい

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